ケプラー予想
お久しぶりです。
飲んだらハイになると一部では有名な、Seymourです。
裸になったことはないですがね。
- 作者: ジョージ・G・スピーロ,青木薫
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2005/04/27
- メディア: 単行本
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「球をできるかぎり高い密度で詰め込む方法は、八百屋がオレンジやトマトを積み上げる方法と同じである」
この、一見常識とも思える命題を、数学的に証明しようとしたら400年近くもかかったという、難問に挑んだ数学者たちのお話。
サイモン・シンの『フェルマーの最終定理』と、テーマも読んだ感じも似てるなあと思ったら、訳者が同じでした。
球という立体を扱った問題なので、読む方としてはかなり想像力が要求されました。
著者も、わかりやすい図を使ったり、ほかのものに例えたりして、読者が理解できるようにかなり工夫をしてくれていると思います。
それでも、本当に理解しようと思ったら、ピンポン球を買ってきて(しかも白とオレンジの2色あった方がよい)、それを並べたりくっつけたりしながら読んだ方がいいかもしれません。
証明の最後は、コンピュータを使ってさまざまなケースについて計算をして、これ以上に高い密度はないということを証明するのですが、その手法はそれまでの数学の証明のエレガンスさとはかけ離れているということで、批判もあったようです。
同様のことは、「すべての地図は四色で塗り分けられる」という四色定理の証明でコンピュータが使われたときにもいわれたようですが。
それでも、先人たちの失敗や試行錯誤を踏まえながら、解決の糸口を見つけ出したヘールズのひらめきには感心してしまいました。